●「料理歳時記」辰巳浜子著*1

桃から生まれた桃太郎さんの桃、あの形の桃は私の子供の頃は天津桃といって、紅と白のぼかしになった美しい桃でした。けれど、皮をむくともっと真っ赤で、堅くて酸っぱくて、口に入れるとブルブル身震いが出るくらいのものでした。甘く煮て食べさせられたり、父の夕食の水貝の器に二切れ三切れ浮いていたのを思い出します。近頃は桃と申せば水蜜桃のことです。早生から晩生の白桃まで時期が永く、西瓜の出盛りまで楽しめるのは幸せです。
                   ・・・p89 水蜜桃より


水蜜桃(すいみつとう)だなんて、いいねえ。ちなみに、、、辰巳浜子さんは明治37年生まれの方。

*1:

料理歳時記 (中公文庫 M 41)

料理歳時記 (中公文庫 M 41)