●「アリス・B.トクラスの料理読本―ガートルード・スタインのパリの食卓」 アリス・B.トクラス著 / 高橋雄一郎・金関いな訳*1


エッセイとレシピを組み合わせた作品。こういうの大好き。おもしろくて、一気に食べるように読んでしまった。近いうちにゆっくり味わうように読み返したい。特に印象深いのが「キッチンの殺人」。嗚呼、ブランシェット!!!オ、オレンジソースよ、って?!嗚呼。。。
このアリス・B.トクラスのクックブックは、須賀敦子さんの「塩一トンの読書」の中で紹介されていた一冊なのだけれど、実際に読んでみると、

夜、泣きそうに疲れているときなど、彼女のレシピをひとつ読むと、心がなごむ。

という須賀さんの気持ちが、なるほど、すごくよくわかるし、

この本を東横線のなかで読んでいたら、となりにすわった若いアメリカ人が、ぼくもその本、だいすきです、と言って、名刺などをくれてしまった。

というエピソードにも、やはり深く納得できてしまう。


このクックブックを読んでいる人を偶然見つけるようなことがあったら、迷うことなく声をかけるだろうなあ、私も。「いいですよねぇ、その本。」って。その人とは極めて高い確率で仲良くなれると思うなあ。運命を感じてしまうかも。
このクックブックのはじめにある、谷川俊太郎さんの詩「ひとつまみの塩」も、ゾクッとするくらい、いい。

*1:

アリス・B・トクラスの料理読本 ガートルード・スタインのパリの食卓

アリス・B・トクラスの料理読本 ガートルード・スタインのパリの食卓