庭園美術館

●「庭園植物記展」 (2005 9/3〜11/6)
花モチーフのものを何か身につけていると100円引きで入場できるというサービスをしている、とチケット売り場の方から知らされるも、とき既に遅し。っていうか、後でよくよく考えたら花そのものはものすごく好きではあるけれど、花柄の洋服や小物、花モチーフのアクセサリーって買った記憶がほとんどない気が。。。


植物をテーマとする絵画や写真、工芸に至るまで、植物好きにはたまらない見応えのある作品が多く揃った展覧会。庭園美術館朝香宮邸として建てられた建物をそのまま美術館として公開。アール・デコ様式のエレガントな内部装飾が施されているので、建物内部のあちらこちらに植物モチーフを見つける楽しみなどもあったり、、、とにかく素敵な美術館。各部屋の照明(アール・デコ調のシャンデリア)はそれぞれデザインが異なっていて、しかもどれもこれもが凝ったつくりで個性的かつ可愛らしいものばかりだから、いちいち奪って持ち帰りたい衝動に駆られて困る。それから、、、浴室が妙に素敵なんだよね。

Ⅰ、植物を写す画家と写真師 (横山松三郎、高橋由一、島霞谷、服部雪斎、加藤竹斎、遠藤貫周、小川一真)
Ⅱ、生活を彩る植物 (浅井忠、杉林古香、杉浦非水、富本憲吉、岡本東洋)
Ⅲ、描き、撮る科学の眼 (飯沼慾斎、牧野富太郎、平瀬作五郎、五百城文哉、南方熊楠武田久吉
Ⅳ、いけばなをとらえる (山根翠堂、勅使河原蒼風<撮影:土門拳石元泰博篠山紀信>、中川幸夫<撮影:中川幸夫、牧直視、森山大道>)
Ⅴ、現代写真にみる植物 (石元泰博東松照明荒木経惟、井津建郎、杉浦邦恵、山崎博鈴木理策蜷川実花

どの作品もそれぞれ見ていて楽しかったけれども、とくにあぁ面白いなあ、と思って今回割とじっくり見入ってしまったのは、植物学研究のために描かれた緻密で繊細な植物画の数々。ひねりを効かせたアート作品に比べたら一見地味だけれど、植物の本質に直球でぐいぐいと迫ってゆく描き手の静かな情熱が確実に感じられる。潔い美しさがあると思う。