EL TANGO VIVO

EL TANGO VIVO熊田洋さん・pf、東谷健司さん・cb。)のコンサートへ。
会場は台東区松が谷にあるお寺、本覚寺。そのとても雰囲気のある本堂にて。
以下、プログラムより。それから、おぼえている範囲でお二人のMCより。

第一部

1、Tomo Y Obligo 「交わす杯」・・・よく歌われる曲
2、Bandoneon Arrabalero 「場末のバンドネオン」・・・こちらもよく歌われる曲
3、Chiclana 「チクラーナ」・・・通りの名前らしいです
4、Payadora 「吟遊詩人」・・・パジャドーラは女性の吟遊詩人なのだとか
5、El Marne 「エル・マルネ」・・・作曲者のエドゥアルド・アローラスは『バンドネオンの虎』と呼ばれたバンドネオン奏者。新曲。
6、El Baqueano 「道案内人」・・・牛飼いの男、つまりカウボーイがテーマの曲
7、Romance De Barrio 「下町のロマンス」・・・VIVOの演奏では初。
8、Madame Ivonne 「マダム・イボンヌ」
9、El Firulete 「エル・フィルレッテ」
10、El Bulin De Calle Ayacucho 「アヤクーチョ通りの部屋」・・・アルゼンチンの演歌的?!な曲なのだとか
11、Golondrinas 「つばめ」


第二部

1、El Choclo 「エル・チョクロ」
2、Racconto 「ラコント」・・・もともと歌の曲。作曲者のカルロス・ガルーシアはご健在のよう。
3、Pedacito De Cielo 「空のひとひら
4、En Tu Ventana 「君の窓辺に」・・・熊田さんのオリジナル。歌の曲のような感じのものをインストでやりたくて作った曲なのだとか。
5、La Callecita 「ラ・カジェシータ」・・・熊田さん、お茶目に曰く「図に乗ってもう一曲オリジナルを。この曲は北千住辺りで悪ガキが遊んでいる様子をイメージして作った曲です。」
6、Corralera 「コラレーラ」・・・コラレーラは『牧場の囲い』という意味。新曲。
7、Melodia De Arrabal 「場末のメロディー」
8、En Tu Corazon 「エン・トゥ・コラソン
9、Recuerdo 「想い出」
10、Malena 「マレーナ
11、Garua 「氷雨


アンコール・・・Canbalache 「古道具屋」


EL TANGO VIVOが結成されてもうすぐ10年になるのだとか(パチパチパチ)。この本覚寺コンサートは96年の秋からはじめられたそう。春と秋、というとてもよい季節に毎年定期的にひらかれているコンサート。このコンサートを楽しむのは今回で6度目になるのかな。飽きっぽい私にしてはホントよく聴きにいっていると思う。とても魅力的なお二人に何か魔法でもかけられてしまったのかもしれない。


いつものように16時開場、16時30分スタート。本覚寺に着いたのが16時15分ごろ。ああ、ホント間に合ってよかった。もうすでに1列目から3列目くらいまでの席はいっぱいに埋まっていたので(ああ・・・)、4列目に着席。
今回、熊田さんは鮮やかな赤色のシャツ、東谷さんは黒色ベースで細かな模様の入ったシャツ、といったとてもタンゴな雰囲気のいでたち。本堂入って左手の壁にあるステンドグラス(美しくて、しかもおしゃれなんだよね)をバックにしたステージ。本堂内部の正面に並ぶ鈍く妖しげな光を放つ仏像たちとシャンデリア(お寺なのに妙に素敵なのよね)も相変わらずいい雰囲気。

第一部で特にいいなあ、と感じたのは、ワルツ「Romance De Barrio」。はじまりのピアノソロがとても雰囲気があって、テンポが速め、次第に盛り上がってゆく感じがとてもドラマチックで新鮮だった。「Madame Ivonne」「Golondrinas」はいつ聴いてもうっとりしてしまう。優雅で美しくっていいんだな、これが。コントラバスの低音がとてもよく味わえることもあって、すき。

第二部は更によかったなあ。「El Choclo」のはじまりのコントラバスが妙に妖しげなのがナイス。つづいての「Racconto」「Pedacito De Cielo」「En Tu Ventana」「La Callecita」の素晴らしさといったら。ひゃー、溶けちゃいそうだ・・・などと思いながらもぬかりなくじっくりとピアノとコントラバスの音色を味わう。それから、新曲「Corralera」、おしゃれな雰囲気ムンムン。聴いていてテンションがググッとあがる。「En Tu Corazon」はしっとりとしてエレガントな曲だから大好き。ただただ音に身を任せて聴き入るのみ。おなじみの「Malena」、「Garua」も、ますます素敵でまいった、まいったぁ・・・。ということで、今回もこっそり大はしゃぎの2時間を過ごす。次の春も来よう、とひそかに誓ったのでした。えへ。

ただ、第二部の途中で童謡やシャンソンなどを歌われているという方が熊田さんの伴奏で1曲披露してくださったのだけれど(熊田さんの伴奏でCDを出されるのだとか)、コンサートの流れからいって私には少々違和感をおぼえずにはいられなかったのでした、すみません。歌がどうの、というわけでは全くなく(歌は個性的で雰囲気があってお上手でしたし)、単に私個人の好みの問題も多分にあるかな、とも思うけれど、VIVO独特のあの素敵な雰囲気にどっぷりと浸っていた幸せな時間が一旦ぷつりと切られてしまったかのような印象をチラリ感じてしまったのも事実なわけで。。。え?今、何がおこっているのだろう?とあっけにとられてしまったというか、何と言えばよいか・・・えとえと、偉そうなこと言って本当にすみません。



ということで、コンサートの余韻を引きずってユラユラ聴いていたのがこちら、、、
EL TANGO VIVO 「VOLVER」
EL TANGO VIVO+近藤久美子(vln) 「EL ARRANQUE」