キース・ジャレット

キース・ジャレットのソロコンサート「Keith Jarrett Solo 2005」へ。
会場は東京芸術劇場、大ホール。久しぶりの芸劇。

◎第一部・・・6曲
◎第二部・・・5曲
◎アンコール・・・3曲


以下、うっすらと憶えている範囲かつ独断と偏見に満ちたゆるーい感想などを、ちらっとメモ。


芸劇大ホール満員の客席側の照明の光が落ち、オレンジ色のスポットライトがステージ中央のピアノの姿を浮かび上がらせる。ざわめきがおさまり、シンと静寂に満ちたホールのステージにキース・ジャレットが現れると、一気にどよめきがおきるとともに、まるで洪水のような大量の拍手。これから展開される演奏への期待で、胸がいっぱいになる。

第一部1曲目、多少の緊張と、目の前であのキースが即興演奏をしているという事実に感動するあまり、ただただボーっと聴き入っててしまった。美しい曲。2曲目、とても穏やかな曲。3曲目、終わり方があっけない感じで面白かった。4曲目、ノリのいい曲。5曲目、うす曇りの空からうっすらと太陽の光がこぼれてくるような雰囲気。6曲目、静かで穏やか。いい具合にアンニュイな雰囲気の漂う曲。

第二部1曲目、おしてはかえす午後のまどろみのような雰囲気。2曲目、かっこいい感じの曲。3曲目、割とメロディアスだったかな。懐かしいような感じのする曲。4曲目、泉の水のように音が次から次へと湧き出し、溢れ出してしまうような雰囲気。最後の低音の一音がとても印象的だった。5曲目、スローテンポ。不思議な感じのする曲。エキゾチックな感じもしたり、しなかったり。長い曲だったかな。

いったん全ての演奏を終えるのだけれど、キースがステージを去っても熱烈な拍手はもちろん止むことなどなく、アンコールに突入。演奏したのは最終的には3曲。アンコール1曲目は「I Loves You Porgy」。客席がわっとどよめく。聴く者の心に一つ一つの音を大事に落としてくれるような演奏に胸が熱くなる。2曲目、ノリのいい曲だったかな。3曲目、静かな水面にふとした何かのきっかけで波紋が広がるのに似た雰囲気からはじまり、波紋がゆるやかに消えてなくなるようなデリケートで美しい余韻の残ったとても印象的な曲。1曲弾いてはステージから去ってゆくのだけれど、それでも止まない大喝采にこたえて再びステージに戻ってくる。結局ステージと袖を6往復くらいしたのかな(え、そんなにしてない?)。声援にこたえて再びステージに現れては、もう全てを出し切ったし疲れたよ、とでも言いたげに手をダラーンと脱力させて深くお辞儀をして戻ってゆくなどのお茶目な仕草も楽しかった。

一音一音を聴き逃したくなくて、神経を集中させて聴き入った濃密な時間だった。できるものなら、その奏でられる音を皮膚からも吸収したいとさえ思ったくらい。あの空間に溶けて同化してしまいそうだった。ライヴ録音のCDが発売されたら、即買おうと思う。DVDも欲しいなあ。。。




コンサートの余韻をずるずると引きずりながら『The Melody At Night,With You』*1と『Radiance』*2を久しぶりに聴く。
はぁ〜、よいコンサートだった。満足。

*1:

The Melody At Night, With You

The Melody At Night, With You

*2:

Radiance

Radiance