(晴れ)

Mおばあちゃんがやってきた。近頃、吉祥寺でお買い物をするのが楽しいのだとか。ハァ、お元気ですナァ。。。
今回おもしろかったMおばあちゃんのぼやき。
「おばあちゃんはね、きょうだい9人の中でいっちばんワガママな子供だったの。学校へ行くのにね、毎朝髪を結ってもらうんだけど、それがうまく気に入った風にできないと、もぅダメなの。気にくわないと学校へ行きたくなくなるのよね。せっかく結ってもらった髪もほどいちゃって、時間になっても家の隅っこのほうなんかにそーっと隠れてじっとしてるの。みつかるとすごく怒られた。ホウキをもって追っかけられたりもしたわね。髪がちゃあんとしてないと嫌なのよね。妹のKちゃんに『Mちゃんは気難しいのよ』ってよく言われたけど、ほぉんとそうだったのよ、おばあちゃんは。近所の子達が『Mちゃんあそぼ』って来るんだけど、袖をこうやって見て『汚いから嫌よっ』ってたいてい断ってた。だってみんな鼻をこうやってぬぐうから袖が、ぴかぴかなんですもの。だってぴかぴかなのよ。私ダメなのよ、そういうの。。。そうだ、お隣のウジョウさんも嫌だったの。うちのお兄さんと同い年でお友達だったのよ、親友だわね。学校も一緒。ぼうぼうに無精ひげをはやしてたでしょ、あの人。『Mちゃんはかわいいねぇ』なんて言われても、ほんと嫌だったわ。それから私も女学校へ入って実家を離れたり結婚して北のほうへ行ったりしたでしょ。ウジョウさんに『Mちゃんはきれいなお嫁さんになっただろうねぇ』ってよく聞かれたってお兄さんが言ってたわ。遠い昔のことよ。私も年をとったものよねぇ。」でもさー、ウジョウさんって、まさかノグチウジョウじゃあないよねえ、、、まさかねえ、、、は、ははは。「そうよ、若いのによく知ってるねぇ、『赤い靴』のウジョウさんよ。有名になる前のことだけど。あの髭はほんと嫌だったわ。あんなに有名になるとはねぇ。」だって。は、ははは。恐るべし97歳。